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ドイツの家のユニバーサルデザインに対する考え方

ユニバーサルデザインとは障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず、すべての人が利用しやすい生活環境をデザインすること。とりわけ世代を跨って継承される可能性がある住宅にとってはとても大切な考え方です。そこで本日はドイツの家のユニバーサルデザインに対する取り組みや考え方についてお伝えします。

3つのユニバーサルデザイン

1、個別仕様を複数用意して提供する

0.5刻みの靴、服のサイズなど利用者を想定して個別の仕様やデザインが用意されている

2、オプションをもって個別ニーズに対応する

基礎となるベースの上に複数のオプションを用意し様々な人のニーズに対応する

3、誰が使用しても対応できる

ひとつのデザインが誰でも使うことのできるものとなっている

この観点から考えると住宅はオプションをもって個別ニーズに対応する「2」に当てはまると私たちは考えています。家を建ててから長い期間居住していく中では、「家族構成の変化」、「設備の老朽化」、「機能の陳腐化」などが予想されます。そのため、住宅におけるユニバーサルデザインとは「時間への対応」とも言い換えることができます。

ドイツの家のユニバーサルデザイン

ドイツの家のユニバーサルデザインに対する取り組みの一部を以下でご紹介していきます。

1、可変可能な間取り

家族構成の変化を見据え間取りを変更できるプランや構造をベースにしています。

2、高い外皮性能

外皮性能とは言い換えれば断熱性能。建物がある限り変わらないベースを高いレベルで担保します。逆に入替が予想される設備についてはできるだけシンプルになるようにします。住宅のイニシャルコストを設備よりも外皮性能に多く振り分けるということです。

3、メーターモジュール

住宅の設計モジュールには主に91センチの尺モジュールと1メートルのメーターモジュールがあります。ドイツの家は建物に合わせてモジュールを採用しますが、ユニバーサルデザインに適しているのはメーターモジュールです。尺モジュールの場合においては廊下やトイレが狭くならないように配慮し、そもそも廊下をできるだけ作らないようにします。

4、長寿社会への対応

例えば段差のない玄関とフロアはバリアフリーとして認識されていますが、日本人には領域を分けたいというニーズもあります。そのためドイツの家では階高を高く確保し、玄関とフロアの高さを可変可能な仕様にしています。

また主寝室とバストイレの位置関係も大切です。

ドイツでは個室ごとにシャワーとトイレが設置されることも多いですが、それがむつかしい場合でも主寝室からバストイレへスムーズに移動できることが必要です。

社会的資本としての住宅

住宅は家族の持ち物でありながら、街並みを構成する社会的資本であるという考え方をドイツの家は大切にしています。ドイツの家の最終目標は建てる家が持続可能であることに加え街並みにとっての美しさを演出すること。つまり、ドイツの家では「住まう人の満足(性能)」「美しい街並みへの貢献(デザイン)」という二つの観点からユニバーサルデザインを捉えています。

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