ドイツの玄関ドアのデザイントレンド
〜窓とファサード協会(VFF)が予測する6つのトレンド〜
家の「顔」ともいえる玄関ドア。ゲストを迎え入れる場所であり、家族が一日に何度も通る場所でもあります。そんなドアに、いまドイツではどんな変化が起きているのでしょうか。
耐久性が高いため流行に左右されにくいアイテムですが、材料技術の進歩やデジタル化が進んだことで、新しいデザインの波が訪れています。ドイツの窓とファサード協会(VFF)は、注目すべき「6つのトレンド」を発表しました。
トレンド1:環境にやさしいドアへ
サステナブル建築の流れは玄関ドアにも。
リサイクル可能な複合材や認証木材など、環境に配慮した素材を使ったドアが増えています。自然な素材感がデザインとしても評価され、資源を大切にしながら上質さを演出できるのです。
トレンド2:シックで控えめな色
派手さよりも落ち着きを。
アンスラサイト(深いダークグレー)やマットなディープグレーなど、控えめでエレガントな色が人気です。汚れや小さな傷が目立ちにくいため、手入れのしやすさも選ばれる理由のひとつ。窓や外壁と色調を合わせるミニマルデザインが街並みに調和します。
トレンド3:進化する素材
アルミや高強度プラスチックといった新素材が主流に。断熱性能が高く、省エネ基準を満たすものには補助金も出るため需要が拡大しています。最近ではアートコンクリートやセラミックなど、不規則な模様や鉱物感を生かした「個性的な質感」が注目され、クールでありながら温かみを感じさせます。
トレンド4:リゼーネンという建築的アクセント
「リゼーネン」と呼ばれる細い縁取りがドアに復活。ロマネスク建築に由来するこの装飾が、現代の大型ドアにミニマルで洗練された印象を与えます。浅い溝や細いラインを刻むだけで、表情豊かなデザインが生まれるのです。
トレンド5:光を取り込むデザイン
ガラスの存在感が増しています。
全面ガラスや採光窓だけでなく、縦のスリットや自由な形の光の切り抜きが可能になり、玄関に自然光を取り入れる工夫が広がっています。サイドパネルや天窓と組み合わせれば、エントランスがより明るく広々と感じられます。
トレンド6:デジタルがつくる新しい玄関体験
スマートフォンやカードで開けられるデジタルロック、指紋認証、カメラ付きのデジタルドアスコープなど、最新技術が次々と採用されています。鍵穴や覗き窓が不要になり、フラットでシンプルなデザインが実現。見た目の美しさと利便性が両立しています。
まとめ:過渡期の玄関ドアは「持続可能+個性+デジタル」
ドイツの玄関ドアは、サステナブル素材、上質で控えめなカラー、個性的な質感、自然光の活用、そしてスマート機能が融合したものになりそうです。
単なる出入り口ではなく、暮らしを彩るデザイン要素へと進化する玄関ドア。
未来の住宅を語るとき、欠かせない主役になっていきそうです。
※ドイツの玄関ドアのトレンドについて、窓とファサード協会(VFF)の2024年11月の記事を参照しています。
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