洗濯について

私はお家の平面図の洗面脱衣室を見ると、じんわーりと愛おしい気持ちになります。なぜなら、そのお客様の「洗濯の最適解」がうかがえるからです。

 

 乾太くんやドラム式洗濯機を導入される室内干し派、日の光に当てたい外干し派。そしてどちらの派閥にも人気なのが、室内干し用のハンガーパイプです。アイアンやホワイトと色の選択肢がありインテリアの邪魔をしないし、何よりスタンドタイプと違って床置きしないから使わない間は空間を広く使えます。浴室暖房乾燥機も捨てがたいですよね。

 

一般的に「洗面脱衣室」と一室にまとめられる空間を、「洗濯」「洗面」「入浴の前室」、場合によっては「クローゼット」と、用途を組み合わせて複数の部屋に分けることもあります。部屋の機能と採用するアイテムの組み合わせは長い間あたためてきたアイディアで、その方にとって最強のパーティーだと思うのです。

 

 「洗濯」と一言で言っても、洗濯機を使う、モノによっては手洗いする、干す(乾燥)、畳む、アイロンする、片付けると、その工程はたくさんありますよね。そしてみなさんも思い返してみてほしいのですが、今の洗濯スタイルに落ち着く前に、たくさんの思考錯誤がありませんでしたか?

 我が家のケースを紹介します。

 我が家の洗濯に革命を起こしたのは除湿器でした。除湿器が革命を起こした家庭なんて星の数ほどあるので今更私が語るまでもないですが、室内干しの洗濯物がカラッと乾くありがたさを日々感じています。

 今住んでいる戸建て賃貸に引っ越した際には、幅をコンパクトに縮められるキャスター付きの物干しスタンドを購入しました。物干し竿をセットできるベランダがなく、庭に据え置くタイプの物干し台を自分で購入する必要があったのですが、いつまで住むかわからない賃貸のためにそんなにゴツくて手放しにくいものを買うのが嫌で、その点前述の物干しスタンドは移動ができるので、屋外と室内を行き来して外干しも中干しもできるなという判断でした。しかし購入して半年ほど経ったころじわじわとパーツが歪みだし、ある時ぽっきりと折れて、自立できなくなってしまいました。やはり可動部分が多いものは壊れやすい。というかメーカーも中と外をハードに行き来する移動は想定していないだろう。今は庭の片隅で粗大ごみに出される日を待つのみです。短い寿命でした。

 その後は熟考の末、窓枠に挟んで固定する物干しを購入し、リビングの窓に設置。除湿器&サーキュレーターを使って夜室内干しするスタイルに落ち着いています。床は広々しますし、夜に洗濯を済ませるので仕事がある日の朝のタスクが一つ減るのは良いんですが、休日に寝具を洗っても干す場所が無く…夫の軽トラと庭の木を縄で繋いでそこに干すという、とても令和とは思えない手段を取っています。それでも私は、屋外用の物干し台は買いたくない。

 そんな我が家の洗濯を支えるハンガーたち。リビングに常に存在していてもそこまでノイズに感じないのは、購入の際にしっかり検討して色のトーンを揃えているからです…とドヤ顔しつつご紹介したいのはこの無印良品のハンガー。もう10年近く使っているのですが、何度もワイヤーが切れてその都度直しながら使い続けています。

 

現在無印良品で売られているハンガーのこの部分はなんとフレームと同じアルミ製になっており、ちょっとやそっとでは壊れない仕様に変わっているのです。ここでも日々洗濯と向き合う人々の真摯な姿勢を感じることができます。

https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550344314524

 大下座なようですが、みなさん来る日も来る日も洗濯されているってすごくないですか?毎日のことだからその方なりの工夫があるし、より快適にし甲斐がある。お家づくりの打合せでは、そんな暮らしのあれこれをお客様とお話しできると嬉しいです。