春は“新しい始まり”を掃き込む季節 — ドイツに根づく大掃除の文化

ドイツでは春に、家を徹底的に掃除する大掃除をします。
集中的なハウスクリーニングには、冬の寒さから春への移行、新たな始まりという、象徴的な意味があります。
春の大掃除について、建物の清掃サービスを提供しているドイツ企業Clean Excellence GmbHの2023年3月の記事をご紹介します。

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<春の大掃除>

春の大掃除の伝統は古代ローマまで遡ります。

実は2 月(Februar)という名称には特別な意味があります。
Februarの語源のラテン語「februare」は「reinigen 清掃する」という意味です。

冬の寒さと汚れから家を解放し、来たる太陽の季節に備えることが習慣でした。

ヨーロッパ諸国では、畑仕事が減る春に、農民や農業従事者が家や農場を掃除し、徹底的に清めるのが一般的な習慣でした。

雪が溶けると、農夫や女中たちは、一年の残りの期間には手が回らなかった農場や馬小屋の掃除や整理整頓を任されました。

この作業は非常に骨の折れるものでした。
厳しい冬の間、長期間にわたって暖炉の火で暖められていたため、部屋はすすだらけになり、これを掃除して住みやすくするためには、場合によっては改装まで必要でした。

霜の降りる夜と雪解けが終わり、太陽が窓から最初の弱い光を放つと、春の大掃除が始まります。

春の大掃除は、家の中に秩序と清潔さと輝きをもたらすだけでなく、生活に対する活気をもたらすのです。