人口12万人の都市が選ばれた理由。ハイルブロン「欧州グリーン首都2027」

「欧州グリーン首都」は、環境分野で優れた取り組みを行う自治体を表彰する賞で、2010年から欧州連合(EU)がヨーロッパ全土の都市を対象に実施され、毎年1都市が選ばれます。

「欧州グリーン首都2027」には、ドイツ南部バーデン=ヴュルテンベルク州北部に位置する人口約12万人の都市、ハイルブロンが選ばれました。
なぜこの都市が評価されたのか、そしてこの称号が持つ意味について、2025年10月に掲載されたドイツ・シンドラー社の記事を紹介します。

ハイルブロン市が「欧州グリーン首都2027」に選出

欧州委員会は、ハイルブロンを「欧州グリーン首都2027」に選出し、同市はヨーロッパ全体での注目を集めることになります。
決定は2025年10月2日にリトアニアのヴィリニュスで行われ、最終選考ではオーストリアのクラーゲンフルト、ハンガリーのデブレツェンを抑えてハイルブロンが選ばれました。
審査員たちの判断は、環境・気候保護に一貫して取り組む都市の姿勢と、市民社会を強く巻き込んでいる点を高く評価しました。

欧州グリーン首都の称号の意味

「欧州グリーン首都」の称号は、大都市の中でも、環境に関する主要な指標で先進的な成果を上げている都市に与えられます。
その対象は、空気や水の質、騒音の低減、気候保護、気候変動への適応、さらには循環型経済にまで及びます。
受賞都市は、専門家会議や文化イベント、市民参加型プロジェクトなどを含む、充実した「称号イヤー」を実施することが義務づけられています。

ハイルブロンが評価された理由

審査員たちは、ハイルブロンの総合的なまちづくりの計画を高く評価しました。
「ランドスケープ・プラン2030」と「モビリティ・コンセプト(交通計画)」が連携し、分野の枠を超えて、騒音対策、気候対策、空気の質の管理を一体的に進めている点が特徴です。
空気、水、騒音、気候変動への適応、循環型経済の各分野では、最高評価が与えられました。

さらに欧州委員会は、2035年までの意欲的な目標設定と、都市型ガーデンプロジェクトやモビリティ転換に関する対話など、積極的な市民参加の取り組みを行っていることも、ハイルブロンが「欧州グリーン首都2027」に選ばれた理由として挙げています。

称号イヤーにおける機会とプログラム

称号イヤーとなる2027年、ハイルブロンは国際的な交流の舞台となります。
行政、経済界、学術分野、文化、そして市民社会の関係者が一堂に会するイベントが計画されています。
60万ユーロの賞金は、気候変動に強いオープンスペースの充実、空気の質の改善、主要な交通路でのさらなる騒音低減など、新たな施策を推進するために活用される予定です。
市は、この成功が多くの関係者の協力によるものであり、これまで進めてきた方針を今後も継続していくための励みになると強調しています。

ヨーロッパ全体の中での位置づけ

「欧州グリーン首都賞」は、ハイルブロンをヨーロッパの環境先進都市の一員として位置づけるものです。
2025年はリトアニアのヴィリニュス、2026年はポルトガルのギマランイスがこの称号を持ちます。

また2027年には、オランダのアッセンとイタリアのシエナが、より小規模な都市を対象とした「EUグリーン・リーフ賞」を受賞しました。
これらの賞は、環境に配慮したまちづくりで特に優れた取り組みを行っている都市を評価するものです。
ハイルブロンも、環境にやさしいまちづくりについてヨーロッパの他の都市から学び、また自らの経験を発信していく都市の仲間入りをしたことになります。

都市開発に向けた今後の展望

この称号の効果は、2027年だけにとどまりません。
ハイルブロンは、経済や学術の拠点としての魅力が高まるとともに、持続可能な都市づくりへの投資が進み、地域内での連携も強まると期待されています。
今後の都市づくりの基本的な方向性としては、移動しやすいコンパクトなまちづくり、安全な自転車・歩行者ネットワークの整備、賢明な土地利用政策、そして気候変動に対応した住環境の整備が柱となります。
これらはすでにハイルブロンが取り組んでいるテーマであり、今回の受賞を機に、より計画的かつ本格的に進めていくことが可能になります。


出典:Schindler社/Wikipedia
https://magazin.schindler.de/kultur/heilbronn-gruene-hauptstadt-europas-2027
https://ja.wikipedia.org/wiki/欧州グリーン首都賞
https://de.wikipedia.org/wiki/Umwelthauptstadt_Europas