ドイツ住宅の新しいスタンダード ~プレハブ建築が描く、持続可能でスマートな暮らし~

「ドイツの家」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。堅牢な石造りの家? それともクラシックな木組みの家?
実はいま、ドイツの住宅市場でぐんぐん存在感を増しているのが「プレハブ住宅」です。

ドイツ連邦プレハブ建築協会(BDF)の発表によれば、市場シェアは過去最高の 26% に到達。とくに南ドイツではその人気が顕著で、バーデン=ヴュルテンベルク州では新築の 43.5% がすでにプレハブ住宅というから驚きです。木材に親しんできた文化が背景にあり、豊かな森林資源と結びついて「木の家」=「未来の家」という認識が広がっています。

ドイツのプレハブ住宅にはどんなトレンドが訪れるのでしょうか。

トレンド1:キッチンは“暮らしの舞台”へ

料理だけの場所だったキッチンが、家族や友人が集まり、時には仕事場や趣味の場になる「多機能空間」へ進化しています。
プレハブ住宅の柔軟な設計力なら、そんなライフスタイルに合わせた空間づくりがしやすいのです。

トレンド2:オープンフロアの新しいかたち

「開放感のある間取り」は根強い人気。
ただし近年は“完全に仕切りをなくす”のではなく、視線や動線を考慮してほどよく区切るスタイルが主流になりそうです。オープンでありながら落ち着ける、そんな絶妙なバランスが求められています。

トレンド3:光と健康をつなぐ窓

自然光は心身のリズムを整える大切な要素。
大きな窓から差し込む光がリビングの奥まで届くよう工夫された設計が増えています。エネルギー効率の高い構造と組み合わせることで、明るさと快適さを両立させるのが最新のプレハブ住宅です。

トレンド4:屋外空間と自然をデザインする

テラスやバルコニー、中庭…。
「自然をすぐそばに感じながら暮らしたい」というニーズが高まり、外と中をつなぐスペースが重視されています。木材を活かしたプレハブ建築は、屋内外の境界をやわらかくつなげるのにぴったり。

トレンド5:スマート化はもう“標準”

照明や換気、エネルギー管理を自動でコントロールするスマートホーム機能。
かつては先進的だったこれらの仕組みも、いまやプレハブ住宅では標準装備に。デザイン性と利便性を両立させながら、省エネや快適さを自然に実現します。

プレハブ住宅が拓く未来

「最新の住宅トレンドを取り入れるために、必ずしも大きな予算や広い土地が必要なわけではありません」と、ドイツ連邦プレハブ建築協会は語ります。効率的な設計と適切なアドバイスがあれば、誰もが自分らしい住まいを手にできる。

ドイツの住宅市場において、プレハブ住宅は「持続可能」「スマート」「自然との調和」というキーワードを体現しながら、これからの暮らし方をリードしていきそうです。

この記事はドイツ連邦プレハブ建築協会(BDF)が発表した、2025年の住宅建築トレンドに関する記事(2025.01.14)を参照しています。


 

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