ドイツの家が考える夏に涼しい家とは?
「断熱性能」というと冬に暖かい家を想像する方も多いと思いますが、断熱とは外気の影響を受けないようにすること。よって、断熱性能の高い家とは冬に暖かいだけでなく夏に涼しい家ということになります。
夏を快適に過ごすためには前提として断熱性能が重要なのですが、実は断熱以外にも重要なポイントがあります。そこで本日は夏に涼しい家についてお伝えします。
高性能な家でも必要な通風
高性能な家というのは断熱・気密がしっかりしている家ですが、夏の快適さを考える時は窓を開ける「通風」がとても重要です。
基本的に高性能な家は外気の影響を受けにくいため窓を開けなくても快適なのですが、一年を通じて窓を開けられる時期が限られている日本では風を感じながら暮らすというのも情緒面でとても大切なこと。
そのためドイツの家では、24時間換気がまわっていても朝起きて窓を開け外気を取り込むことができる通風にこだわった家づくりを行っています。
通風にはドレーキップ窓とヴァレーマ
ドイツの家でドレーキップ窓を採用しているのは、通風を考える上でとても有利な側面があるからです。「内倒し」と「内開き」が可能なドレーキップ窓は、自然な空気の流れをつくることができ、室内の空気を外気と入れ替えることができます。
また、これに加えて外付けブラインドシステム「ヴァレーマ」も通風におすすめ。夏の問題の一つである日射熱をコントロールできるため、ドレーキップ窓と組み合わせて使用することでより夏を快適に過ごすことができます。
トップライト(天窓)で風を感じられる家に
通風を考える上では「トップライト」も効果的。一般的に室内は窓を部屋の対角線上に設けて卓越風が通るように設計しますが、これでは風がない日だと風を感じることができません。
しかし、トップライトを設置すれば温まった空気が上にあがることで上昇気流が起き、外へと抜けていく風の逃げ道をつくることができるため、風がない日でも風を起こすことができます。
快適さは十人十色がドイツの家の考え方
快適さを考える上で断熱・気密といった性能面はとても重要ですが、性能のみにこだわっても快適な家はつくれません。なぜなら、今回紹介した「通風」のように、家は個人の感じ方によって印象が変わる要素も含まれているからです。
例えば、春分と秋分の日は気温こそほぼ同じであるものの、これから気温が上がる春と気温が下がっていく秋では風や気温の感じ方が異なるもの。
そこで重要なのは「快適さを自分でコントロールできること」。ドイツの家では数値面の性能だけでなく、情緒面の快適さにもこだわった住宅を提供しています。