「終の住まい」について考え方-
ドイツの家では性能から暮らしの快適さまでしっかりとこだわり、世代を超えて住み継げる「終の住まい」を建てたいという、比較的年齢層の高いお客様からご相談をいただく機会が多くあります。
そこで本日は「終の住まい」についての考え方や確保すべき性能についてお伝えしていきます。
「終の住まい」こそシンプルに
世代を超えて住み継げる家というと、先々を考えすぎて性能面や間取り、設備面など検討する要素が盛りだくさんという印象があるかもしれませんが、「終の住まい」こそシンプルに考えることが重要です。
なぜなら、設備は常に新しい製品が開発されるため取り替えることが前提とされるから。それよりも重要なのが性能面、とりわけ後から修正がきかない外皮性能は建物の快適さを左右するため、しっかりとした内容で検討する必要があります。
後から変えられない性能はしっかり、機械は可変可能に。という考え方を軸にすることで、「終の住まい」はよりイメージがわきやすくなります。
「終の住まい」は暖かい家が大前提
「終の住まい」を考える時に最も重要なのが断熱。外皮性能、窓、断熱材などは後から変えにくい部分なので、しっかりとした性能を最初からプランニングしておきたいところです。
これらは次の世代のためにということもありますが、お施主様自身が健康で長生きするためにもとても重要なことです。その基本は「暖かい家で暮らす」ということ。寒暖差の少ない環境で過ごすことで、より健康的な暮らしを送ることができます。
WHOが発表している75歳以上の高齢者溺死年間死亡人数国際比較では、先進国の中でも日本は圧倒的に多い傾向があります。この原因の一つとして考えられているのが住宅性能。とりわけアルミサッシが多用されている日本は外気の影響を受けやすい家が多いと言えます。
仮に病気になったとしても後遺症を持って帰ってきたら家族も大変。後遺症を持たずに健康で長生きするために何ができるかということは、過ごす時間が長い家の性能を考えるということ。つまり、断熱性能に優れた「暖かい家」を建てるということは、健康寿命を考えた時に身近で効果的な手段の一つと言えます。
「終の住まい」は2階リビングを推奨
ドイツの家では木造による在来工法をメインとしているため、ツーバイフォー工法と比べても可変性の高い家をつくれるという特徴があります。
その上でこだわっているのが内部の壁に構造的な役割を持たせすぎないということ。ドイツの家が2階リビングを推奨しているのは、世代交代やライフサイクルが変化したときの間取り変更を容易にするためでもあります。
まとめ
「終の住まい」は性能面など後から変えにくいところに予算をかける一方、設備面など変えやすいところはシンプルに考えていくということがポイントです。
世代を超えて住み継げる家を建てたいとお考えの方はぜひ参考にしてみてください。