海の下にトンネルが誕生しつつある。フェーマルン・ベルトトンネルの全貌
ヨーロッパ最大級のインフラ計画の一つであるフェーマルン・ベルトトンネルについて、その全貌と技術的挑戦を紹介します(ドイツ外務省のウェブサイトdeutschland.deの2026年2月の記事)。
海の下にトンネルが誕生する
ドイツとデンマークを結ぶフェーマルン・ベルトトンネルは、100年に一度とも言われる大規模建設プロジェクトです。
世界でも最長級の沈埋トンネル(陸上で製作したトンネル構造物を海に沈め、接合して造る海底トンネル)の実現には、ドイツの高度なエンジニアリング技術が決定的な役割を果たしています。
現在、幅約18キロメートルの入り江がドイツとデンマークを隔てています。
風が水面に波紋を広げ、フェリーがフェーマルン海峡を行き交っています。
一見すると穏やかなこの海の下では、実はヨーロッパ最大級のインフラプロジェクトの一つが進行中です。
クレーンや仮設港、そして建設中のトンネル出入口のための掘削現場が、両岸の工事エリアを形づくっています。
デンマーク側の陸上では、高層ビルに匹敵する高さのコンクリート構造物が次々と建設されています。
ここが、将来ドイツとデンマークを陸路で結ぶ固定リンクとなるフェーマルン・ベルトトンネルの建設現場です。


フェーマルン・ベルトトンネルの建設は、何が特別なのか
このトンネルは、ヨーロッパ全体の交通網(トランス・ヨーロピアン・ネットワーク)における最後の大きな空白の一つを埋めるものです。
そして、スカンディナビアと中央ヨーロッパを天候に左右されない形で結ぶ恒久的な交通路を実現します。
将来的には、列車は約7分、自動車は約10分でフェーマルン海峡を横断できるようになります。
ハンブルクからコペンハーゲンまでの鉄道移動時間も、現在の約5時間からおよそ2時間半へと短縮される見込みです。
トンネル内部には、電化された鉄道の線路が2本、4車線の高速道路が、4本の独立したトンネルに分けて配置されます。
このトンネルは、スカンディナビアとドイツ、さらに地中海地域を結ぶ、ヨーロッパにおける重要な南北交通ルートの一つとなる予定です。


フェーマルン・ベルトトンネルには誰が投資しているのか
ドイツとの条約に基づき、デンマークが資金面での全責任を負っています。
建設費は、政府保証付きの融資とEUからの補助金によって賄われています。
トンネル開通後は、通行料金や鉄道の線路使用料による収益で融資を返済する計画で、返済期間は約36年とされています。
この仕組みは「利用者負担方式」と呼ばれ、インフラを利用する人がその費用を負担するモデルです。
ドイツ企業はこのプロジェクトにどのような専門技術を提供しているのか
Wayss & FreytagやMax Böglをはじめとするドイツの建設・エンジニアリング企業は、国際的な共同企業体の一員としてプロジェクトに参加しています。
これらの企業は、トンネル工事や高度な土木工事、さらに大型コンクリート部材の製造と接合といった重要な工程を担っています。
特に、これまでの大規模プロジェクトで培った経験は、巨大なトンネルモジュールを海底に正確に設置し、安全に固定するうえで決定的な役割を果たしています。
フェーマルン・ベルトトンネルは2031年に完成する予定です。

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出典:deutschland.de(ドイツ外務省)
https://www.deutschland.de/en/topic/business/fehmarnbelt-tunnel-german-companies
