ドイツの家流「採光の正解」とは?

住まいの暮らしやすさや快適さを考える上で大切なのが採光。
建築基準法では居室面積の1/7を確保しなければならないというルールこそ設けられていますが、人によって感じ方が異なるため採光の計画は難しいところ。そこで本日はドイツの家流 採光の正解についてお伝えします。

採光とは?

採光とは自然光を室内に取り入れることを指します。一方、日当たりは直接当たる日光を指しますから、二つは似て非なるものということを覚えておきましょう。
つまり、建築基準法上で採光が満たされていたとしても日当たりがいいわけではないということですね。
また、採光計画は単独で考えるのではなく、温熱と組み合わせて計画していくことが大切です。

採光ってどんな役割?

日射量の多い日本では南側採光が多いため南側に大きな窓をつくり、東西側に最小限の窓を設 置するという教科書的なアプローチは温熱には良いのですが、採光を考えると必ずしもそうと は言い切れません。
採光の側面から考えると、東から昇ってくる光を取り込みたいという要望があったとき、南側 の窓からでは朝の時間を過ぎているため東側に窓を設ける必要があります。このアプローチは温熱の観点では少し不利になりますが、採光の観点では優れています。
また南からの通風を北側に飛せるというメリットもあるため北側の窓も大切です。
北側の光は 時間帯の影響を受けにくく他方位に比べて安定しています。さらに北側は天窓の効果が高いた めアトリエや写真スタジオでは好まれやすいですね。
このように採光は情緒的な要素も大切になってくるため、温熱を考えつつ設計の段階で個人的 な好みと合わせて計画していく必要があります。

ドイツの家の採光

一般的な家のアルミ樹脂複合サッシの窓であれば、採光よりも温熱を重視して考えた方 が良いと考えています。
しかし、ドイツの家のように断熱性・気密性に優れた高性能な樹脂窓 を使用している場合は採光を優先して計画してもよいと考えます。
ドイツの家では南側に大開口窓を設けて家中が明るくなるように設計するのが基本ですが、落 ち着いた雰囲気を好むお施主様には、暗い部分をあえてつくってそこを効果的に照らしていく 提案することもあります。
明るさは光の量だけではなく、効果的な演出で心地良く感じ ることもできるため、ドイツの家ではお客様の個性を尊重しつつ情緒的なアプローチでも採光 を考えていきます。

まとめ

採光は情緒的な観点が重要ですが、基本は温熱を犠牲にしないというところがポイント。
そこ で重宝しているのがドイツの家の外付けブラインド「ヴァレーマ」で す。
特に大きな窓を作るときに夏の暑さと共に注意しなくてはならないのが冬の眩しさ。
「ヴァレーマ」があることで高度が低く室内に差込む光の量が多い冬でも、取り込む光の量を コントロールできるため温熱を保ったまま、好みの採光計画を実現することができます。